こんな本があった!

こんな本があった!

 ~岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展9~

西尾市岩瀬文庫・岩瀬文庫資料調査会

平成24年1月21日(土)~4月1日(日)

午前9時から午後5時まで   
休館日  月曜日

               (月曜日が祝日の場合は月火休)

     年末年始・特別整理期間
入館料  無料


  ごあいさつ

 岩瀬文庫の調査で、つい最近出てきた『松屋外集』(天保15年刊)という考証随筆の序文に一寸面白いことが書いてありました(原文は漢文)。
ソレ鳥有リテ将ニ来ラントスレバ、羅ヲ張リテコレヲ待ツ。ソノ鳥ヲ得ル者ハ、羅ノ一目ナリ。モシ衆目ヲ以テ無用トナシテ、一目ノ羅ヲ製スルトキハ、則チ豈ニ鳥ヲ得ベケンヤ。…
羅(霞網)で鳥を捕る際に、実際に鳥が引っかかるのは「一目(いちもく)」(一つの網目)だけだが、もしも「衆目(しゅうもく)」(たくさんの網目)を無駄だとして、一目だけの網を作ったならば、どうして鳥が捕まえられようか、という意味です(*注)。
 『松屋外集』の著者、小山田与清は膨大な蔵書を持ち、該博な知識で世に知られた学者です。彼は読書の傍ら、「群書捜索目録」(主題索引のようなもの)を作り、それが30年かかって二千巻に達したそうです。どうしてそんなたいへんなものを拵えたのか、その意図を説明するのが、上記のたとえ話なのでした。
 小山田氏のやろうとしたことは、いわば文化史の学術基盤整備なのですが、そういった方面の仕事には一見無駄に見える事柄が多く、どうしても不効率になってしまうことが、このたとえからよくわかります。効率至上主義の支配する現代人には耳の痛い話ですね。
 考えてみれば、岩瀬弥助があらゆる分野にわたる膨大な古書を、西尾の地に集積してくれたことも「衆目」です。そして、我々が取組んでいる、詳細な〈記述的〉書誌データベースは、文庫の書物が将来にわたって活用されるための道具で、これもまたささやかな「衆目」となってくれることを願っています。
 文庫開設以来初めて行われる調査(全資料調査)は12年目に入りました。その間に出会うことの出来た「こんな本があった!」を紹介する中間報告展を、市民の皆さんへの感謝を込めつつ、今年も催します。

  平成24年正月               悉皆調査責任者

                    名古屋大学文学研究科(日本文学)

                       塩村 耕(しおむら こう)

Ⅰ 【小特集】三河人の遺した珍資料
      岩瀬文庫設立の目的の一つは、近代化とともに喪われつつある封建時代の記憶を残すことでした。とうぜん、郷土資料も手厚く集められています。その中の一風かわった書物たちを紹介します。

 

〈猫狐豊川詣〉笑談膝栗毛
〈猫狐豊川詣〉笑談膝栗毛

 

Ⅱ 〈小特集〉調査員の選ぶ「こんな本」
        この平成悉皆調査をお手伝いしてくれる若手研究者や学生さんなどの心にとまった本のセレクションです。さて、調査員たちのハートを掴んだのはどんな本でしょう?

狂謌百鬼夜興
狂謌百鬼夜興

 

Ⅲ 続出する珍奇本
     当文庫では「へえ!こんなことを書き残した本があるのか」と驚く資料によく出くわします。今年も続々と現れた、そんな珍にして稀なる本たちをご披露します。

 

海潮記
海潮記

 

 

第112回 企画展  こんな本があった! 岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展9      展示解説
       企画展の見どころをわかりやすく楽しくお話します。

 日 時   2月18日(土) 午後1時30分~ 
 案 内   文庫学芸員   
 場 所   2階 企画展示室
 ※予約は不要です。直接展示室にお越しください。    


第113回 「今年度の調査からわかったこと Vol.9」
    平成12年より続けられている岩瀬文庫資料の全資料調査。今年度の成果を 

      いち早くお知らせします。

      企画展「こんな本があった!~岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展9~」も

      あわせてご覧下さい

 日 時   3月10日(土) 午後1時30分~ 
 講 師   塩村 耕 氏(名古屋大学大学院教授/岩瀬文庫資料調査会会長)
 場 所   地階研修ホール 
 定 員  70人程度  ※予約・料金は不要です。
  (定員を超えた場合は別室でモニター画面をご覧頂くことがあります)

 


第108回 連続講座 史料から歴史の謎を読み解く 2011 
        学術創成研究費「目録学の構築と古典学の再生」研究グループ共催の

         連続講座。その道の専門家が古典籍や古文書からさまざまな歴史の謎を

         ひも解きます。大好評のため、今年も引き続き開催します。

  
     第4回目  「秀吉を考え直す・賤の視点から(仮題)」
        講 師     服部 英雄氏(九州大学教授) 
        日 時     平成24年2月4日(土) 午後1時30分~   
        定 員    70人程度
        場 所     地階 研修ホール
          ※予約・料金は不要です。直接会場へお越し下さい。    
  
     第5回目  「西尾の三河万歳」
        講 師    松井 直樹(西尾市嘱託職員) 
        日 時    平成24年3月24日(土) 午後1時30分~   
        定 員   70人程度
        場 所    地階 研修ホール
           ※予約・料金は不要です。直接会場へお越し下さい。

   


名古屋大学大学院国際言語文化研究科 教育研究プロジェクト 
   メディアを巡る文化創造とその展開および発展
     日 時  平成24年2月25日(土) 午後0時30分~4時30分 
             ※一部に0時~4時40分の告知がありましたが、

                上記が正しい開催時間です。
    場 所       岩瀬文庫地階 研修ホール
   問合せ先     名古屋大学大学院 国際言語文化研究科 伊藤研究室
  ※一般の方のご参加を歓迎します。詳しくはこちらをご覧下さい。

 

 

<記事 画像引用 西尾市岩瀬文庫
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